アステリオン王国の悪戯王子と名高いアテム・アステリオンは、十歳の誕生会を迎えたその日、唐突に前世の記憶が蘇った。
「なんだ、このうだつの上がらなそうな男は。いや、知っている。僕はこの男を知っているぞ。この男の名は確か、清水一平……僕の、僕の前世だ」
困惑して意識を失うアテムだったが、目を覚ましてみれば、この世界が前世で死ぬ直前にやり尽くした『ラグナロクファンタジーAGAIN』という、名作ゲームのリメイクに酷似していることに気が付いて愕然とする。
アステリオン王国はゲーム冒頭で敵国の侵攻で滅亡し、家族は離散、民は死に絶える運命にあるからだ。それも、今から約六年後に。
かくして、アテムは前世の記憶を活かして国家滅亡の運命に全力で抗い、未来を変える決意を固める。
大切な家族と国を守るため、悪戯王子の奮闘記が始まった。