両親を失った元貴族のフィルミーヌ・デュボワは親戚の農園でのんびりした毎日を送っていた。農業と田舎を愛するフィルは母譲りの賢さと父譲りの優しさで皆から愛されている。ある日、そんなフィルに第3王子ルディールから「公妾」として屋敷にくるようにとの通達がなされた。
第3王子ルディールは王権争いに敗れ、与えられた大きな屋敷で正妻を持たず複数人の公妾を持ついわゆる「ダメ王子」と名高い人物。
フィルは、このままこの田舎で幸せな結婚をしたいと思っていたが、親戚たちの利益を一番に考えて公妾という立場を受け入れることに。
屋敷にやってきたフィルは執事より「王子は一番優秀な公妾様を正妻にしようと考えている」と告げられる。
今までの不安を晴らすくらいになんでも揃っている待遇の良さ、公妾たちの派閥争いや姿を見せない王子、フィルに親切なイケメン執事……他、公妾としての生活は波乱に満ちていたのだった。フィルは幸せな結婚を掴むためまっすぐに立ち向かっていく。