〜半吸血鬼少女の帝国冒険譚〜
かつて人族と亜種族が共栄した世界。
そして、人族と亜種族が対立する世界。
百年前、殲獣と呼ばれる怪物が世界各地に出現した。
人々は、殲獣の魔法じみた力を『魔術』として、また、その身体を武器として利用した。
かつて人々は、殲獣へ立ち向かう為種族問わず手を取り合ったという。
しかし、やがて殲獣の魔法的な力に溺れた各種族の王達は戦争を起こした。その末に人口の多い人族の王を皇帝に立てた。
大陸のほぼ全域を占める帝国の誕生により、歴史上最大最悪の戦争『大陸戦争』は終結した。
およそ五十年前の話である。
ある晴天の日、帝国西部の海沿いの小さな村シャトラントから、大陸戦争で英雄と謳われた将軍ライトに育てられた半吸血鬼の少女が希望を抱き都シュタットへと旅立った。
旅立ちの日から三日目。曇り空の森で少女は怪しげな冒険者に出会う。
その冒険者は、実は暗殺部隊の脱走者であった。彼との出会いが少女の運命を狂わせていく。強者との戦闘を求める少女は、その男ミラクに興味を持ち、不本意ながらも共に都を目指すことを決める。
少女は、ミラクと出会ったことで、帝国の闇に巻き込まれていくことになる。
希望に満ちて旅立った少女が、プロローグ冒頭のように、帝国の暗殺部隊に在籍することになるのはなぜか。
これは、ある半吸血鬼の少女が出会いと裏切りの末に絶望あるいは希望を選択するまでの物語。
※番外編辺りまで読んでいただけたらダーク味が濃くなります。
※月・金の週
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