クロモリという場所がある。その深い緑色と、生息する凶悪な魔獣、入ってはまず帰れないところから黒森(クロモリ)と呼ばれており、そこでまれに見つかる銀色の草花を煎じて飲めば万病を癒し、黄金の果実を食せば欠損した肉体すら再生させる。中でも深部で見つかる虹色の枝は不老をもたらすとされており、権力者たちの垂涎の的だ。生還率は低いが恩恵をもたらす植物が存在しているため、挑む人間は後を絶たない。そんなクロモリには魔獣の進出を防ぐための防衛局という組織があり、仲間を護衛する「乙14142号」は任務を淡々とこなす日々を過ごしていた。そんな中、超常的な力を持つ魔女に虹色の枝を探索する任務を課せられ、魔女や上官たちと共にクロモリの深部へ挑むことになる。(第一章)
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