魔王の娘ヘスティアは、勇者アルフォンスと和平のため結婚することになった。
誰もがかわいそうな政略結婚だと口にする中、ヘスティアだけは己を憐れむことはしない。
なぜなら人に姿を変えてまで会っていたアルフォンスに恋をしていたからだ。
だがしかしアルフォンスには恋人と噂される王女の存在があり、ヘスティアは己の気持ちを口にできないでいた。
だがある時アルフォンスと話をしていると、どうやら彼の好きな人は人間に化けていた頃のヘスティアであることがわかった。
それなら己が化けていたのだと、両想いなのだと口にしようとしたヘスティアに、アルフォンスはとんでもないことを告げてきて……!?
「次に会ったらもう離さない。二度と離れられないように屋敷に閉じ込めるつもりなんだ」
『あ、これだめだ』
己の身の危険を感じたヘスティアは、絶対に彼の愛する人間の娘=ヘスティアだとバレないようにしなくてはと心に誓う。
そんな両片想いな二人が両国の問題を解決しつつ愛を育んでいく物語。