その日、悪役令嬢は“物語”に殺されかけた。
乙女ゲームの悪役令嬢エリシアに転生した私は、断罪を回避するために静かに生きるはずだった。
けれど――
物語は修正を始める。
断罪の場で発動した“世界の強制力”。
悪役は排除されるべき存在。
だが王太子アルベルトは、物語よりも彼女を選んだ。
世界そのものと戦い、王都を襲う黒蝕を止めるため、エリシアは禁術を使う。
代償は――
「物語を知る記憶」と「彼を愛した記憶」。
目を覚ました彼女は、彼のことを覚えていなかった。
それでも王太子は告げる。
「何度でも言う。お前が誰でも、私はお前を選ぶ」
悪役令嬢は、もう一度恋をする。
これは、用意された運命を壊し、
“自分の意思で生きる”と決めた少女と、
彼女を何度でも愛する王子の物語。
――たとえ、世界がやり直しても。