この宇宙で最も幅広く流通しているメシ。
それは味と香りはホンモノなだけのでかすぎるチューインガムみたいな塊だった。
目覚めると、そこは人生を費やしたSFVRゲーム『スター・フロンティア』の世界。
手にしていたのは、銀河最強のスペックと、呆れるほどの積載量を誇る巨大輸送船『マッコウクジラ』 。
ただし、
あれほどいたクルーは0。
ため込んだ資材も0。
何だって買えた電子通貨も0。
残されていたのは、絶望的にマズい宇宙食だけ。
見た目は白と茶色のキューブ、味はカツ丼。
しかし食感は「油粘土」。
ポリゴンのような見た目、なめらかなスポンジのような、
味だけは完璧なハンバーグ。
「サクサクの衣のカツ丼が食いたい!!!」
「肉汁あふれるハンバーグが食いたい!!!」
ただそれだけの欲望のために、俺は最強の船を起動する。
新鮮な肉も、シャキシャキの野菜も、炊きたての米もない。
「ふざけるな。俺は、俺の手で料理した本物の飯が食いたいんだ」
そして、倉庫の奥で3日間放置された、お怒りのメイドアンドロイドと共に行動を開始する。
これは、銀河の果てで最高の「うまい飯」を作るために戦う、一人の男の物語。
カクヨムでも連載中です。現在はカクヨムが先行中。
R15, 残酷な描写あり, 異世界転移, ほのぼの, 男主人公, 未来, アンドロイド, チート, 日常, グルメ, 超能力, スペースオペラ
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