現代の歴史好きサラリーマンは、戦国時代の安芸国・安国寺の小僧「恵瓊」として転生した。
自分が後に毛利氏の外交僧として豊臣秀吉に重用され、1600年の関ヶ原で西軍の中心人物となり、六条河原で斬首される「安国寺恵瓊」であることを、知っている。
知っている。本能寺の変を。秀吉の天下統一を。そして徳川家康の覇権を。
だから変えたい。必死に動く。警告し、諫言し、策を巡らす。
しかし、人は知識では動かない。信長は驕り、秀吉は焦燥し、家康は忍耐し、そして人間の業は知識を上回る。
少しだけ変えたかと思えば、歴史は元の軌道へ戻っていく。
これは、史実を知りながら史実に抗えなかった、一介の外交僧の記録である。
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