第一王子レオニスに「陰気で何を考えているか分からない」と婚約破棄され、
捏造の証拠で断罪・追放された公爵令嬢ロザリンド。
だが彼女こそ、王国全土の伝書鳩と早馬と駅逓網——
つまり「王国の耳」を、たった一人で支えていた存在だった。
「では、今後王家への"報告"はすべて止めます」
翌朝から、王宮には何も届かなくなる。
外交文書は迷子になり、相場は狂い、災害の警報すら間に合わない。
王都は、自分が聞こえなくなったことにすら、まだ気づかない。
一方ロザリンドは辺境で、中立の通信ギルド「翼の座」を設立。
忠誠を捧げる伝令たちと、王国最速の少女ピナと、
誰よりも早く正確に「知る」力で、辺境を富ませていく。
やがて異変に気づいた王都は、彼女に戻るよう求めるが——
「お断りします。今さら遅いので」
これは、「壁の花」と呼ばれた令嬢が、
国の耳を握ったまま静かに王都を出し抜く物語。
派手な断罪返しより、静かに積み上がるスカッとと「有能が正しく報われる」快感が好きな方へ。