チートなんてない。
日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。
自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。
魔法?生活魔法しか使えませんけど。
物作り?こんな田舎で何ができるんだ。
狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。
そんな僕も15歳。成人の年になる。
何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。
こんな2人が世界のどこかにいてもいいじゃないですか。
王都でいろいろな人たちと出会い、関わることで青年は少しずついろいろなことを学んで行く。
どんな時でも誠実に人と接する青年の周りにはいつのまにかいろいろな人たちが集まるようになっていた。
ここは私たちの暮らす所よりほんの少しだけ優しい世界。
青年が世界と関わることでその世界は少しずつ良い方向に変わっていく。
こんな2人が世界のどこかでささやかに暮らしている。
その世界を想像するだけで少しだけ幸せな気持ちになれる。
これはそんな小さな物語。
カクヨム様にも投稿しております。