天乃慎は、記憶を失った状態で目を覚ます。そこは、魔術が公的に認められ、制度として管理されている国家特区「浅木」。この特区では、未熟な魔術師の育成や研究が行われており、魔術は日常の一部として機能していた。天乃はこの街で唯一魔術を使えない者らが集まる浅木第三高校1年第10組の所属であった。
過去の記憶も目的も曖昧なまま、天乃はこの街での生活を始めるが、次第に魔術に関わる事件や制度の矛盾に巻き込まれていく。
天乃は、周囲の人々や制度との関わりの中で、自分が何者であり、何を選ぶべきなのかを模索していく。正しさと間違いの境界が曖昧なこの街で、失ったものと向き合いながら、自分の輪郭を築き上げようとする。
――これは、ニセモノたちの物語。