「アルス。悪いが、今日限りでパーティーを抜けてもらうわ」
勇者パーティーの「荷物持ち」兼「魔力タンク」として、幼馴染の聖女エルザたちを支えてきたアルス。
彼は、仲間の全魔法コストとダメージを肩代わりする固有スキル【魔力肩代わり】により、身を削って献身し続けてきた。
しかし、その恩恵を「自分たちの才能」と勘違いした仲間たちは、アルスを「無能」と罵り、銀貨数枚で追放する。
「……分かった。君たちがそう言うなら、俺は出ていくよ」
拘束から解き放たれた瞬間、アルスの内側に「神話級」の魔力が還ってきた。
一振りの指先が地形を変え、適当な初級魔法が山を穿つ。
一方、アルスを失った聖女たちは、魔法一つつかえない「ただの人」へと転落していき――。
これは、自分の価値に無自覚な青年が、王女に拾われ、
本物の英雄へと成り上がっていく物語。