帝国が有する最凶の兵器「滅剣」。その器として心を殺して生きてきた少年コウは、敗戦の供物として竜の国へ送られる。
そこで出会ったのは、滅剣によって両親を奪われた竜族の若き女帝、ィリーリアだった。
本来なら憎み合うはずの二人。しかし、竜族の本能「エンゲージ」が告げたのは、彼こそが魂の伴侶であるという真実。
そしてそれはお互いがお互いに惹かれ合う究極の一目惚れ。暴走する滅びの力を、竜の騎士になると誓い、契約がその力を封じ込めたとき、少年は誓う。
「僕の未来を、あなたに捧げます」
女帝の騎士として生きることを決めたコウは、運命から隠すようにその身分を偽り、騎士養成学校へ入学。
周囲から「敗戦国のクズ」「無能」と疎まれながらも、彼はただひたむきに強さを追い求める。すべては、愛しい彼女の笑顔を守るために。
やがてその剣は学園の序列を揺るがし、帝国の陰謀さえも切り裂いていく。
これは、世界に拒絶された少年と、世界を背負う少女が紡ぐ、愛と誓いの英雄譚。