チェルシー子爵令嬢のイングリッドは、ある日を境に突然ゴーストが見えるようになった。怯えるイングリッドだが相談できる人はいなかった。
チェルシー子爵家は父親が事業に失敗して多額の借金を抱えていた。援助を申し出たマクガイヤー伯爵家の令嬢ヘンリエッタと婚約を余儀なくされた義兄のレイフォードは、血の繋がらない妹との同居をヘンリエッタが嫌がったために学生寮に移っており、父は酒浸り、母は精神を病んでおり、イングリッドは一人で悩んでいた。
こんな奇怪なことは幼馴染の友達アイリーンとキャメロンにも言えない。それにアイリーンは今、大変な状況だった。恋人のエンリケがイヴァンに罪をなすりつけられて退学になったのだ。伯爵令息のイヴァンに逆らえず脅されて止む無く罪を被ったのだった。
そんな時、ゴーストになって彷徨っているソニアに出会う。彼女はイヴァンの婚約者だった。行方不明になっていると聞いていたが、実は殺害されていた。イヴァンには恐ろしい秘密があるようだ。
かつて王妃殿下の親友の死の真相を究明したゴーストが見える令嬢ドリスメイに協力を仰ぎ、イヴァンの悪事を暴いてほしいとソニアに懇願される。
王立学園内ではソニアの他にも失踪者が出ており、ソニアのゴーストに頼まれるまでもなく、王太子を中心に生徒会執行役員たちが調査に乗り出していた。イングリッドもソニアからの情報を持って、捜査に加わることになる。