「システムが追いつけないなら、俺が手動で動かせばいい」
世界初の完全物理演算・超自律AI搭載型VRMMO『Ouroboros
Online(ウロボロス・オンライン)』。
現実世界では次世代ロボット工学のトップを走る若き天才エンジニア・相馬創(アバター名:ソウ)は、息抜きとしてこのゲームをプレイし始める。
しかし、彼が引き当てたのは、制御AIがポンコツすぎて使い物にならない最弱の不遇職『機巧技師(マキナ・クラフター)』だった。
「自動制御(システムアシスト)がダメなら、全オフにして手動で組めばいい」
彼はリアルの知識を悪用……もといフル活用し、システムアシストを完全切断。自分の脳波と機体の関節モーターを直結させる独自の『完全手動(マニュアル・オーバーライド)』を構築してしまう。
結果、ただの木の棒を持った初期ゴーレムが、マッハで慣性ドリフトをキメながら隠しボスをワンパンする異常事態に。
本人は「VR空間ならではの趣味の機体いじり」を満喫しているだけなのだが――
「なんで絶対防御の装甲がただの木の棒で割れるんだよ!
共振現象?
ゲーム内でそんなマニアックな計算するな!」(運営ディレクター・天城/胃薬3錠目)
「【速報】あの機巧技師、また裏門で数千体のモブを蒸発させてる件」(裏掲示板)
「ソウ殿!
今日はどの試作機を運用なさるのですか!?
俺は何でも運びます!」(最強ギルドのトップランカー・アーサー)
天才エンジニアによる無自覚なVR世界蹂躙劇が今、幕を開ける。