むかしむかし、あるところに、マチコという小さな女の子がおりました。
おなかをすかせたマチコちゃんは、火炎魔法――「ファイヤ」の巻物を売り歩いていましたが、だれも見向きもしてくれません。
寒さにふるえながら、一枚だけファイヤを発火してみたところ……たいへん! 炎が止まらなくなって、お城をうっかり燃やしてしまいました。
おまけに、なりゆきで王女様(幼女)をさらってしまい、なぜかマチコちゃんは「魔王」と呼ばれるようになったのです。
でも、マチコさんの願いはただひとつだけ。
「おなかいっぱい、ごはんが食べたいだけなのに!」
これは、ちょっぴり不運で、ちょっぴり図太い、腹黒幼女のお話です――。
/////////
※カクヨムでも投稿しております。