布士翠(ふし
みどり)のもとに母から電話が来たのは、仕事を辞めてから一か月が経ったころだった。
「親愛コーポレーションさんからの依頼でね。布士家の人間と一緒に行ってほしい土地があるんだって。あんた、ヒマでしょう? 行ってきなさいよ」
強引に勧められたものの、翠は断るために親愛コーポレーションの副社長
石堂尊の元に行く。
石堂が言うには、「布士家の人間しか入れない禁足地がある」のだという。
共に行ってほしいというが、翠は力になれないと断る。
「ならばわたしは死ぬしかない。そしてわたしの次の石堂家の長男もね」
石堂の語る因縁というか半ば脅迫まがいの発言に、翠は渋々禁足地に同行することにしたのだが……。