南の戦いを終わらせた王太子エルドウルフは、昼夜を問わず少数の兵を率いて北の戦場へ向かう。
そこで彼は、かつて夢に見た少女――“闘神”と呼ばれるフェギスノーラと再会する。
その力は戦場を一瞬で覆すほど圧倒的だった。
だがエルドウルフが引き受けたのは、勝利そのものではない。
死者を数え、兵を帰し、戦の後に残る現実ごと背負うことだった。
やがて王都を離れた彼は、王太子領クワルノーで領地運営を始める。
街を整え、人を集め、物流と防衛を組み直し、戦場ではなく統治によって未来を築こうとする。
その傍らでフェギスノーラもまた、人の暮らしの中で言葉を覚え、感情を知り、自らの意志で世界に触れ始める。
ともに過ごす日々の中で、王太子と“闘神”の関係は、静かで強い結びつきへと変わっていく。
これは、力ではなく選択で未来を動かす王太子の戦記。
戦記・内政・神話、そして静かな愛の物語。