壁一枚隔てた向こうに、突然現れたのは、
まるで別世界から迷い込んだような美人姉妹だった。
俺は佐藤健二、32歳。
独身、彼女なし、貯金もあんまりなし、将来の夢もなし。
ただひたすら会社と自宅を往復するだけの、色褪せた日常を過ごす営業マン。
古びたアパート「ひだまり荘」202号室。
築35年、壁は紙のように薄く、隣の生活音は丸聞こえ。
でも俺にはそれが心地よかった。
誰かの気配がするだけで、「自分はまだ社会に繋がっている」と錯覚できるから。
そんな俺の部屋の隣、203号室に引っ越してきた2人の姉妹。
薄壁を隔てたアパートから始まる、年の差ラブコメです。