地方の農業関連企業で農薬研究開発部門の研究員として働いていた神之
十碧(カミノ
トア)は、開発中だった農薬を運悪く高濃度で吸い込み死亡してしまう。さらには転生先で屑親に売られてしまったトアは、エルズマート王国お抱えの暗殺者ギルドで殺し屋として育てられる。20年もの間、逃げることも死ぬこともできず
殺し屋稼業を続けた結果、『常闇の殺戮者』の二つ名を持つ最悪のアサシンとなっていた。しかし国内で勃発した覇権争いに巻き込まれ、終いには自らが属する組織の裏切りにあい、瀕死の重傷を負ってしまう。
今際の際で自らの運命を呪うトア。もしまた生まれ変われるのなら、今度は平和な世界でモフモフに囲まれて暮らしたいと願う。しかし死を覚悟した直後、ちんまりとしたおかしな獣人が彼の命を救った。そのモコモコの名前はポンチョ。彼は過去にトアが他国の貴族から救い出した、それはそれはモフモフとしたヤブイヌ族の可愛い可愛い獣人だった。
闇の鎖によって繋がれ続けた魔の手を逃れ、ポンチョとともに東の果てへと移り住んだトアは、これまでの時間を取り戻すように人として当たり前の生活を目指して奔走する。しかしなぜか彼らの前に現れるのは、とにかく終始『もふもふ』とした変わり者ばかり。村長として村作りを進める中でも、不思議とどうして、あふれんばかりの風変わりなモフモフたちが集まってくる可笑しなモフモフライフをどうぞお楽しみください。
これは運命に翻弄され続けた最強最悪な常闇殺戮者が、新たな人生をもふもふし、もふもふモフモフしながら村作りをしたり、作物を育てたり、魔道具を作ったりしながら、ノホホンと生きていくことを『目標』にした物語です。
ですが最後に。
「スローライフを送りたい!」
としていますが、「スローライフを送れる」とは言ってませんので、そのおつもりで……