「俺なんか、彼女に釣り合うわけがない」
中学時代の「呪縛」から逃れるため、別の高校へ進学した桜井悠人。そこで出会ったのは、誰にでも優しく、けれどどこか遠い存在である「高嶺の花」――白松百合子だった。
偶然重なる放課後の図書室、バイト帰りの夜道、そして学校祭。不器用な二人の距離が少しずつ縮まる一方で、忍び寄る過去の影。頬に残された傷跡と、彼女が抱える「秘密」が交錯する時、止まっていた時間は風に乗って動き出す。
傷つきながらも一歩を踏み出す少年と、風のように掴めない少女。不器用な二人が織りなす、青春の光と影。