現代日本で六十年を生きた男、山本龍之介。
三国志と戦国を愛し、忘れられた祠を守り続けた彼は、死後、神のような存在から一つの選択を与えられる。
行き先は、戦国。
与えられたのは、若き肉体。
そして、呂布奉先の武に近い器と、郭奉孝の知に通じる戦場を読む力だった。
だが、龍之介は呂布でも郭嘉でもない。
武に呑まれれば獣となり、知に呑まれれば人を駒としてしか見なくなる。
その危うさを抱えたまま、彼が落とされたのは、若き織田信長が劣勢に立たされる戦場だった。
橋は退路ではない。
殺し場だ。
敵の薄い場所、兵の疲れ、馬の逃げ道、旗の乱れ。
郭嘉の知が勝ち筋を読み、呂布の武が戦場を裂く。
信長はその男を見て、ただの豪傑ではないと悟る。
これは、呂布の武と郭嘉の知を授かった男が、信長の側で乱世を駆け、尾張を、美濃を、今川を、そして戦国そのものを塗り替えていく物語。
※短編版をもとにした連載版です。カクヨム掲載中の『戦国転生伝・改』とは一部展開・構成が異なります。