愛犬の柴犬、太郎との散歩中に異世界に飛ばされてしまったユイ(20代社会人)は、古びた一軒家で魔族の少年ルカと出会い、なりゆきで一緒に暮らすことになる。
庭の木には美味しい木の実がたわわに生っているし、家のすぐ横には綺麗な小川が流れている。
前の住人が残していったと思われる服もあるし、衣食住に不安はない。
なんなら近くに露天風呂まであって、意外に快適に暮らせている。
そんなこんなで異世界転移後、あっという間に一年が経った頃。
ユイとルカ、太郎の元に、王都から来たという魔法使いが訪ねて来た。
「お迎えが遅くなり、本当に申し訳ありませんでした!」
開口一番、謝罪の言葉を口にする魔法使い。
彼曰く、ユイは魔王復活を阻止するために異世界から召喚された聖女なのだそうだ。ちなみに太郎は聖獣らしい。
一緒に王都の大神殿に来て欲しいと頼む魔法使いに、ユイは笑顔で答える。
「嫌です、ここから離れたくありません」と。
このお話は、聖女召喚で異世界に飛ばされたユイとその愛犬太郎、孤独に暮らしていた魔族のルカが、家族として幸せに暮らしていくお話です。