八十年の間、ドットが象る世界から始まり、鮮やかなポリゴンの空、滑らかな3Dの海へと至るまで、あらゆる画面の中を旅してきた。
指先が覚えているのは、勝利の瞬間と、その道のりの先に待つ確かな充足感。
生涯現役を貫いた老人は、人生最後の旅を飾るに相応しい新作VRMMOの配信を待っていた。
最後のゲームの名は、
――アイオーンクロニクル
『新しいセカイを。もう一度人生を』をテーマに広大な世界を冒険する期待の期待のVRMMOタイトル。
配信の日、しかし意気揚々とログインを試みるも、後期高齢者の身体は高負荷フルダイブVRゲーに耐えられるほど頑丈ではなく、セーフティに引っ掛かりログインすらできない。
だが、簡単に諦めるような男ではない。
その時、画面に奇妙な選択肢が浮かぶ。
『仮想転生プログラムへの適性を検知しました。仮想転生プログラムをご利用されますか?』
迷いはなかった。老いた指が『Yes』を押す。
世界は一変し、鼓動が若いころのように跳ね、そして、男はその先に待つセカイを歩む。
――人生は一度きり?
男は笑う。
ゲームも人生も、何度だって自分の意志でリスタートできる。
※好き勝手書き連ねてます。
※カクヨム様にも投稿してみました。