雷華の騎士。それはローゼンブルク帝国において、歴代最強の冒険者として必ず挙げる名であった。
曰く、大陸東部にある暗殺者ギルドを悉く潰し、災禍を齎したドラゴンを殺し、大迷宮の謎を解き、いくつもの国を救った、偉大な冒険者である。
同時に貴族達が最も傲慢で他者の功績を奪う時代でもあり、彼の冒険者の偉業を同時期に存在した支配帝の功績であると文献に残されていた。
これより語られる物語は、家族に一身に愛され、知勇に恵まれた才児でありながら、故郷と家族を失う事で冒険者となった、偽りなき雷華の騎士の記録である。