「おーい! 王女が来たぞー!」
魔物蔓延る森に住まう男は、そんな声をよく聴く。
扉を開ければ、綺麗な金髪の王女様と、護衛や侍女の方々がズラリ。
見慣れた人達。見慣れた光景。見慣れたやり取り。
欠伸しながら面倒くさそうに、男は喋る。
「また来たの? ……しょうがないなぁ、もう」
やれやれと言いながら、家の中に案内する。
凶暴な魔物が棲む樹海の内部に建てられた、男のログハウスに。
これは、のんびりと進む物語。
異世界転移した男と、そんな男に会いに行く王女様の、物語。
※世界設定は緩く考えたファンタジー世界です。