婚約破棄された。
帝国騎士団長ディートリヒ・ヴァレンシュタインに、宴の場で。
「君の瞳は不気味だ」——そう言い捨てられたリーナ・クレスタフェルデ伯爵令嬢は、社交界から追放される。
だが彼女の紫の瞳には、人の嘘を「音」で聴き分ける力が宿っていた。
「鑑譜眼」——対象の核紋を五線譜のように視覚化し、嘘を不協和音として、真実を和音として聴き取る能力。前世の記憶がもたらした絶対音感が、この力を歴史上最も精密な「嘘の鑑定」へと昇華させた。
追放された先で待っていたのは、帝国の闇を統べる「冷血公子」ルシアン・シュヴァルツベルク。
「使えると思って近づいた。だが、お前を手放す気はもうない」
宮廷の陰謀、100年前の封印に隠された帝国の嘘——鑑譜眼が暴く不協和音は、やがて大陸を揺るがす真実へと繋がっていく。
追放された令嬢は、全ての嘘を暴き、自らの道を切り拓く。