40代の現代サラリーマンが幕末に転生した。
そこで出会ったのは、美しいが「0」がなく計算しづらい和算の世界。
効率を愛する男は、ただ計算を便利にするために和算を改革。内田五観、小野友五郎といった天才たちと知己を得て、幕府公認の研究機関「蕃書調所」を設立する。
だが、時代は風雲急を告げる……はずだった。
「ペリー?
条約の不備を指摘して論破したよ」
「ハリス?
ああ、『悪魔』って捨て台詞を吐いてたな」
彼は歴史知識は中学生レベルだが、現代仕込みの「効率」と「経済感覚」を持っていた。
土地転がしに関税障壁。公使館から巻き上げた莫大な裏金を投入し、天才たちと「一番金のかかる試作品作り」=技術革命を推し進める。
「内戦?
コスパが悪いからやらないよ」
これは、守旧派を金で殺し、攘夷派を理屈で殺し、血を流さずに日本を最強へと導く、ある効率厨の物語。