幼馴染のA級探索者を信じて保証人になった、四十六歳の農家・森健司。
ある日届いたのは――三百万円の借金の催促状だった。
電話をしても幼馴染は出ない。
「まあ、なんとかなるさ」
健司は十年以上離れていたダンジョンへ戻り、農業の合間に借金を返すことにした。
ところが、最初の十万円を返済した直後から、なぜか昔より剣が扱いやすくなる。
次の十万円を返せば、身体が強くなる。
さらに返せば、魔物の気配まで分かるようになっていく。
健司が持つ、長年まったく役に立たなかった謎のギフト――《肩代わり》。
その本当の能力は、健司が肩代わりした借金を返すたび、借金を押しつけた者たちから能力を徴収することだった。
しかし本人は、そんなことには気づかない。
「最近、身体の調子がいいな」
畑を耕し、ダンジョンへ潜り、母の塩むすびを食べる。
秋田犬のゴンを散歩させ、ダンジョンで拾ったモフモフ魔物・モチと暮らしながら、ついでに始めた配信までなぜか人気になっていく。
一方その頃。
健司に借金を押しつけたA級探索者たちは、一人、また一人と自分たちの力を失い始めていた。
借金を返すほど強くなる。
田舎のおじさんの、のんびり借金返済ダンジョン配信。