「クラリア=スカーレットは生きています。君が望むなら、旅路の果てに再会することも可能でしょう」
戦いの中で学び、育ち、生きてきたヴィオラは、数年前に亡くした恋人の記憶を胸に、漫然と空虚な日々を送っていた。そんなある日、突如として現れた見知らぬ老人に、衝撃的な事実を告げられる。なんと、彼女の恋人は生きているというのである。
訝りつつも奮起した女傭兵は、預けられた一枚のタロットを手に、新たな雇用主となる砂漠の領主の御殿へと赴く。それだけが、失った色彩を取り戻す唯一の手段だと頼みにして——
選択と責任。結果と代償。尽きることのない軋轢の中で、懸命により良い未来を目指す人間たちの勇姿を克明に描き出す重厚なハイファンタジー。