どこからか太鼓の音が聞こえてくる。
激しく、力強い打音は、地の底からか、空からか。ただその一打ごとに、戦場の空気を震えさせた。
累々と倒れ伏す味方の只中に、一人だけ立っている男がいた。
全身を、燃えるような赤い光が包んでいる。手にした剣は光をすべて吸い込むように黒い。男はゆっくりと、その黒刃を構えた。
太鼓の打音が、どんどん速くなっていく。
打音が高鳴るたびに、赤い光が濃さを増し、男から放たれる目に見えない圧力が強まっていった。
太鼓の打音と剣を振り抜く風切り音を纏い、男は敵を一閃で切り裂いた。
様々な音の残響が渦巻く中、男は確かに笑っていた。まるで、最高の舞台でパフォーマンスをしたかのように。
——だが、これは少し先のお話。
まずは、俺が何者かを話したいと思う。
これは、俺がVTuberから転生して、異世界最強になるまでの冒険譚だ。