「推しと一戦したかっただけなのに、どうして僕がアイドルに?」
かつてFPSの日本代表として名を轟かせた白瀬直人、二十二歳。
男女比一対九の「別の日本」に迷い込み、変わってしまった人間関係から距離を置いた彼は、今では地味な会社員として暮らしている。
唯一の癒しは、登録者二百万人超のアイドルVTuber・月乃ほしなの配信。
ゲームは一流、それ以外はだいたいポンコツな推しと対戦するため、直人は数年ぶりにゲームの世界へ戻ってくる。
大会の優勝賞品は、推しとのボイスチャット付き1対1。
けれど、勝ち取ったのはそれだけではなかった。
なぜか女性限定のVTuber事務所から、最終審査への招待まで届いてしまう。
「僕、男なんですけど」
女の子のような顔立ちと声のせいで、説明しても冗談扱い。
対面で誤解を解けば帰れるはずが、気づけば推しの後輩になっていた。
昼は会社員、夜は女性アイドル。
元日本代表だった過去も、本当の性別も、視聴者には秘密。
けれど同期は女の子同士のつもりで距離を詰めてきて、推しとは配信に載らない約束が増えていく。
銃を持った相手の動きは読めても、女の子たちの気持ちは読めない。
推しに勝った元日本代表の、誰にも知られてはいけないシークレットラブコメ、開幕!