~スポットライトの裏側で、執着な大妖に愛を乞われる~
京都郊外の撮影所で起きたワイヤー事故。
売れない脇役俳優・佐伯蓮は、主演俳優を救うために飛び出し、俳優生命を揺るがす傷を顔に負ってしまう。
もう終わりだ。
そう思った深夜の病室に現れたのは、白銀の髪と金色の瞳を持つ美しい男――九尾の妖狐・白銀清司だった。
「その傷を隠してやる。代わりに、私の探し人を見つけろ」
拒む暇もなく刻まれた血契。
清司の狐印によって傷は人の目から消えた。けれど、それは治ったわけではない。
蓮は契約を解くため、清司が探す失踪した妖怪・宵宮朔を追うことになる。
その手がかりを得るには、できるだけ多くの人間に会わなければならない。
避け続けてきた取材。
望まなかったドラマ復帰。
嫉妬する共演者、騒ぎ立てるネットニュース、熱狂するファン。
静かに生きたかった蓮は、妖狐に導かれるように、芸能界の光の中心へ押し出されていく。
けれど、清司が本当に探しているのは“過去の伴侶”だけなのか。
「お前は、朔の代わりなのか」
「違うと言えば、お前は信じるのか」
人間である蓮は、自分の人生を選びたい。
妖怪である清司は、一度手に入れたものを二度と手放せない。
触れられるたび、逃げたくなる。
守られるたび、心が揺れる。
利用されているはずなのに、その金色の瞳から目が離せない。