湖畔のごく小さな村に生まれた俺、フレア・グレーデンは、前世ではブラック企業勤めの社畜だった。
社畜生活10年。
残業代ゼロ。週7勤務。平均20時間労働。
睡眠はカフェインと気力で誤魔化す日々――そして燃えるような後悔を抱えたままこの世界に転生した。
だが転生先は、なんと――『火』という概念のない世界。
暖房? ない。
調理? 生肉と生野菜オンリー。
お風呂? 真冬でも水風呂。
村の人々? 「火? それって食べられるの?」レベル。
ただの極寒原始生活だった。
……でも、そこで俺は気づく。
俺だけ『火』が使えることに。