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取得日時> 2026-08-24 00:10:14
もうどうでもよくなったので、私に関わろうとするのはご遠慮ください
王太子の婚約者として過ごした十年間。
王妃教育に学園生活、公爵令嬢としての責務――努力すればいつか報われると信じ、求められることすべてに応えようと走り続けてきた。
けれど、無理を重ねた末に倒れたことで、私は前世の記憶を取り戻す。
前世の私は、日本で働き詰めの末に過労死した会社員だった。
(……私、また同じことを繰り返しているのね)
しかも、ここは前世で遊んでいた乙女ゲームの世界。
本来なら私は、主人公をいじめた末に断罪される悪役令嬢――のはずだった。
けれど、現実はまるで違う。
誰かをいじめる暇などあるはずもなく、王太子の婚約者として期待に応え続けるだけで精一杯だった。
婚約者である王太子は主人公へ楽しそうに笑いかける一方で、私との会話はいつも事務的なものばかり。
前世でも、今世でも、頑張り続けた。
それでも報われることはなく、気づけば心も身体も限界を迎えていた。
だったら、もういい。
「もう疲れた。今度こそ、自分のために生きよう」
王太子の婚約者としての立場も、公爵令嬢としての暮らしも捨て、侍女とともに屋敷を出た私は、これまで知らなかった世界を自分の目で見るため旅に出る。
ただ自由に生きようと旅をしていただけ。
ところが、その中で何気なく取った行動は、周囲にとって決して「普通」ではなかったらしい。
やがて『白銀の魔女』の噂が各地へ広がり、旅先で出会った訳ありの男との同行をきっかけに、各地で起きていた不可解な異変が少しずつ一つに繋がっていく。
一見何の繋がりもなかった小さな異変は、やがて二つの国を巻き込む大きな陰謀へ――。
ただ自由に生きたいだけなのに、彼女の何気ない行動は、本人も知らぬところで多くの人々と国の未来を変え始めていた。
今さら私を必要だと言われても、もうどうでもよくなったので、私に関わろうとするのはご遠慮ください。

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