王宮の外交部から合格通知を貰って喜んでいたウィスタリアに、父が三歳下のデヴィットとの婚約が決まったと告げた。彼の父クロウ伯爵からの打診だった。一生結婚はせずに仕事に生きようと思っていたが、貴族の務めと顔合わせをすることになる。
十五歳のデヴィットは中性的で可愛らしい男の子だった。
頭も良く気の優しいデヴィットとお互いしか見えないような激しい恋をし、彼の大学卒業を待って幸せな結婚をした。なのにある日親戚に不幸があったと出かけたデヴィットはー週間以上帰って来なかった。
心配で護衛に見に行かせたウィスタリアは、彼が狭いアパートで女の子を抱きしめていたことを知る。
報告を受けたウィスタリアは離婚届を置いて出て行くことにした。