「お前との婚姻は、無意味だった」
三年間、名ばかりの妻だった。
夫のアンドレイは愛人を公然と連れ回し、
リゼットには屋敷と領地の雑務だけを押しつけた。
初夜もない。名前も呼ばれない。
「お前がいなくなっても、何も変わらない」と言われた日、
リゼットは離縁届を置いて屋敷を出た。
――変わらないはずだった。
リゼットが去った屋敷は、たった三日で崩壊し始める。
帳簿は誰にも読めず、薬草園は枯れ、領民の信頼は地に落ちた。
一方、街道で一人泣いていたリゼットに手を差し伸べたのは、
隣国ヴェルグリア帝国の皇太子セドリック。
彼はリゼットに百年に一人の聖女の素質を見出し、帝国に招く――が、
彼が本当に見つけたのは、聖女ではなく、一人の愛すべき女性だった。
「あなたは、自分が思っているよりもずっと、大切にされるべき方だ」
溺愛される日々。開花する力。取り戻す自信。
元夫が追いかけてきた時には、もう全てが遅かった。
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。溺愛過多。
甘さと塩気の暴力的配合でお届けします。