異世界の勇者に殺され、封印された魔王が目覚めると、そこは千年先の未来であった。
目の前に立つのは一体の自動人形・ルナ。
彼女曰く、増えすぎた人類によって世界の環境は破壊し尽くされ、当の人類は数体の環境再生用の自動人形だけを残して異世界へと移住してしまったのだそうだ。
だが驚異的な力で再生をし始めた自然によって、刻一刻と文明は消失しつつあった。
このままでは数千年続いた人類史が消滅する。それを食い止めるために、ルナはかつてたった一人で世界を脅かした厄災――魔王を蘇らせるという外法に手を出したのだった。
「どうかお願い申し上げます。私と一緒に、この世界を再生してもらえないでしょうか」
無理やり目覚めさせられた魔王に断る余地もなく、彼はかつて敗北した人類史の残骸を集めて再生していくことになる。
他にも似た境遇の残り者たちを集めながら、敗残者である魔王と、自動人形の少女による、世界再生の旅が始まるのだった。