「「トイレに行きたい」と言ったら、おまるが出てきた。しかも、侍女たちに見守られながらどうぞ、と。
ここは十八世紀フランス。普通の女子高生だった羽生妙子は、よりにもよって、あのマリー・アントワネットに転生していた。
「大丈夫。わたしには現代知識がある。余裕で生き延びてみせるわ!」
ドレスを着回そう
→「王家が困窮していると侮られます」
食事を減らそう
→「家臣たちの夕食です」
賭博をやめよう
→ひっぱたかれた。
おかしい。現代知識で無双するはずが、全部論破されて返り討ちにあっている。風呂は禁止、着替えは公開、トイレはおまる。現代日本の常識で突撃するたび、十八世紀王宮の珍常識が全力で殴り返してくる。
おまけに夫である王太子ルイは、会話も続かない内気な鍵オタク。歴史では夫婦のはずの二人は、今はまだ、ただの気まずい他人である。
ギロチン回避だけを願う乙女ゲーム脳の女子高生が、王宮も病院も財政改革も巻き込んで空回りしながら、不器用な王太子と少しずつ本物の夫婦になっていく——。
現代知識無双に失敗し続ける、空回り系・異世界歴史ラブコメ。