これは運命に翻弄されながらも前へ進む二人の少年少女の物語。
ある時代のある王国。
古くから政争を続ける二つの家にそれぞれ少年と少女が生まれた。
隠し持つ力は王家をも超えると目される大領主の子として生を受けた二人。
少年であるローレンは父に言われた。
「あの女を殺せば我らの勝ち」
少女であるカミラは父に言われた。
「お前の腹に王の子が宿れば我らの勝ち」
共に次代の後継者として相対する二人は生まれながら殺し合う運命にあり、憎しみ合うことしか出来なかった。
ローレンとカミラは自分達の間に存在する運命のために相手を憎みながらも、酷似した互いの人生に同情し共感する。
自分こそが相手の唯一の理解者であることを知りながら。
そんな二人が辿る軌跡と結末。