「君との婚約は破棄する。新しい婚約者は——彼女だ」
その日、エレノア・リースター伯爵令嬢は、王太子との婚約を一方的に破棄された。
理由は、王太子の「真実の恋」なるものを邪魔する“冷たい令嬢”だったから。
——でもね。
我慢してたの。ずっと。
王太子の好みに合わせて服を選び、口調を直し、趣味も交友も捨てて。
“理想の花嫁”として完璧を演じてきた。
それでもこの仕打ちなら、もういい。
これからは、自分のために生きる。
婚約破棄を機に、貴族としての地位も捨てて辺境の田舎町へ。
目指すは、誰にも仕えず、誰にも期待されない——自由気ままなおひとりさまスローライフ!
……だったはずなのに。
「俺が君を放っておけると思うか?」
なぜか毎日ご飯を食べにくる、無愛想すぎる元・軍人。
冷たいと思っていた彼の手は、妙にあたたかくて——
心も体も、じんわり“自分のもの”になっていく。
◆婚約破棄×ざまぁ×田舎スローライフ!
◆我慢してきた元・完璧令嬢が、自分らしく恋をするまでの物語!