オリヴィアはある日、従姉であるベアトリスから彼女の代役を命じられる。それは「王太子殿下のペットの飼育係」だった。
話によると「一週間でペットを手懐けた者を王太子の婚約者とする」というご褒美付きらしく、確実に婚約者の座を手に入れたいベアトリスは、自身の代役として必ずペットを手懐けるようオリヴィアを脅してきたのだ。
共に暮すベアトリスや叔父叔母から虐げられる日々——。
両親や大切な存在を失くしたオリヴィアにとって、最後の心の拠り所となっているのは屋敷に勤める使用人たちだった。
ベアトリスによって人質に取られた彼らを守るため一人王宮へ赴いたオリヴィアは、王太子エリアスとそのペットであるメルクと出会う。
もう二度と大切な存在は作りたくないのに——
無愛想ながらも時折優しさの垣間見えるエリアスや、純粋無垢な愛おしい存在……。
傷だらけのオリヴィアの心は、この王宮での出会いによって癒やされていく。
※愛らしい生き物を交えたまったりシンデレラストーリーです。
※作中に架空の生き物が登場しますので、苦手な方はご注意ください。