膨大な魔力を持ち、大国の統治をしていた魔術師ローワン。
彼は『獅子王』と呼ばれ、国の内外からの尊敬を集めていた。
しかしローワンは、その力を妬んだ実の兄に毒殺されてしまう。
そして……『魔力なし』の公爵令嬢イーディスとして、前世で自身が統治していた国に転生してしまった。
もともとローワンは野心が薄い人間だった。
しかし膨大な魔力があったせいで臣下たちに祀り上げられ、兄の感情に配慮する隙もなく。
流されるままに立太子され王位に就いてしまった。
そして…最終的には毒殺されるハメになったのだ。
「この人生では、もう人に流されない。そして、自分がしたいことを探そう」
そう決意したローワン、もといイーディス。
しかし前世の業なのか、お人好しゆえなのか。
この世界でもその手腕を発揮し、いつの間にか『聖女』と呼ばれていく。
そして、王位を簒奪した前世の兄と対峙していくことに……。