冒険者ギルドで技術職として働いていたカイルは、
「戦闘に直接役立たない」「成果が数値で見えない」という理由で追放される。
鍛冶と錬金、どちらも中途半端。
そう評価された彼の仕事は、派手さこそないが、
装備の安定性、疲労の軽減、長期戦での信頼性――
“使うほどに差が出る”技術だった。
路地裏で小さな工房を開いたカイルは、
修理と調整を請け負う中で、少しずつ評価を集めていく。
一方、彼を追放したギルドでは、
数値だけを信じた新装備と新配合が次々と現場を壊し始めていた。
「使いやすい」
その一言だけが、静かに広がっていく。
これは、評価されなかった生産職が、
見る目のある人間にだけ認められ、
やがて“世界の基盤”になっていく物語。
派手な無双はない。
だが、気づいた時にはもう、取り返しがつかない。