柊遼は、工学部に通うごく普通の大学生――のはずだった。
姉は朝ドラ主演級の国民的女優、柊凛。
妹は映画賞常連の若手実力派女優、柊華。
世間では神様扱いの二人だが、家ではただのうるさい姉妹である。
そんな中、遼はひっそりと機械をいじっていた。
アナログもデジタルも関係なく、壊れたものを直し、回路を組み、制御を書き換える。
世界的企業から目をかけられていることも知らずに。
本人は無頓着。
姉妹もまだ知らない。
静かな天才と、騒がしい世界。
これは、“真ん中”に生まれた少年の、少しだけ非日常な日常の物語。