内部崩壊型パンデミックSF
身体が自ら終末へ向かう時代。
それでも生と尊厳を守ろうとする医療者たちの物語。
≪
国が正しいなら、私たちは間違いで構わない
≫
西暦2200年。人口は70億から半減した。
戦争でも環境でもない。
人類を静かに崩したのは、未知の病──
E.O.S.《End
Overflow
Syndrome》。
体内精排液が意志と無関係に生成・排出され続け、
生理の恒常性が崩壊する。
それは欲望ではなく、生存設計の誤作動だった。
世界は外からではなく、内側から滅び始めた。
国は封鎖と情報統制を敷き、
未来を守る政策と、目の前の命を守りたい医療が静かに交錯する。
これは、
人類が自らの設計限界にぶつかった時代の、
とある病院隔離病棟の記録。
科学は追いつけるのか。 尊厳は守れるのか。
そして、なぜ人間は自分を流し続ける設計で生まれたのか。
終わりから始まる、静かな臨床SFドラマ。