王国第三姫――レシティア・パープル。
優雅で気高く、民に愛される彼女には、とある“噂”があった。
「姫様が現れるだけで、すべての問題は解決する」
魔物討伐、盗賊の壊滅、内乱の鎮圧、外交問題――
どんな難題も、彼女の前ではなぜか自然に片づいてしまうのだ。
だがその実態は――
姫に仕える騎士たちが、影で全部やっているだけだった。
剣の達人、魔法の天才、知略に長けた策士、闇を駆ける諜報員。
あらゆる分野で“規格外”の実力を持つ騎士団が、姫のためにすべてを解決している。
しかし周囲の人々は、それをこう勘違いする。
「すべては姫様の力なのだ」と。
気づけば姫は、“何もしていないのに最強”という謎の存在に祭り上げられていた。
――けれど。
当の本人もまた、密かに剣と魔法を鍛え続けてきた努力家であり、
本当は“普通に強い”。
ただし、騎士たちが優秀すぎるせいで出番がないだけである。
これは、
最強すぎる騎士団に守られながら、
本人もそれなりに強い姫様が、
周囲の盛大な勘違いとともに国を救っていく物語。
その誤解――
果たして、解ける日は来るのか。
それともさらに、深まっていくのか。