「退職金の代わりだ」
上司に渡されたのは、B級ランクの底辺ダンジョンの個人探索権だった。
ダンジョン探索大手を二十年勤めてリストラされた四十二歳。退職金は出ず、押し付けられたのは誰も見向きもしない底辺ダンジョン。とりあえず飯代を稼ぐために、ソロ探索の配信を始めた。視聴者ゼロ。
——はずだった。
ダンジョンの最奥に、地図にない通路が見つかった。
その先は、前人未踏の超深層。
視聴者2人のチャットが爆発し、掲示板が炎上し、世界が騒ぎ始めた。
『おっさんが底辺ダンジョンの隠し階層を発見した件』
『こいつ何者だよ……元S級か????????????』
『卵かけご飯食ってるよ多分』
本人は「とりあえず腹減ったから帰りたい」しか考えていない。
底辺ダンジョンの奥には、まだ誰も知らない何かが眠っている。
おっさんのカメラだけが、それを映している。
★第1章「底辺ダンジョンの超深層」全12話公開中!★