王都の魔導省で下働き同然に扱われていた九等官メルヴィは、手柄を上司に奪われた末、死の地と恐れられる辺境の古城へ【九等・古城管理員】として左遷されてしまう。
だが、生粋の綺麗好きである彼女にとって、瘴気まみれの魔境は絶望の地ではなく“やりがいのある大掃除現場”だった。本人は便利な生活魔法のつもりで使っているが、実はそれは規格外の神聖魔法。城を磨き、泉を浄め、荒れ果てた土地を次々と聖域へ変えていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷徹無比と恐れられる「氷の皇帝」オフィウス。だが彼は、泥だらけで箒を振るうメルヴィの姿に一目で心を奪われてしまう。
「君の尊い手を汚させるわけにはいかない」
なぜか皇帝自ら掃除道具を奪って過保護に甘やかし、さらにメルヴィの功績は次々と正当に評価され、九等官から異例の大出世へ。やがて彼女を見下していた元上司には盛大な“ざまぁ”が下り、メルヴィは国を救った英雄として皇帝に、そして国そのものに溺愛されていく――。
無自覚に魔境を浄化するお掃除少女と、そんな彼女を全肯定で愛してやまない氷の皇帝が織りなす、じれ甘溺愛出世ファンタジー。