世界的に希少な存在である、変身獣メタモルファル。
犬の形をとっている年若いメタモルファルのアルバ・ナギと、そのパートナーであるエルオリーセ・ハイドランジアは、沖代三吾教授と出会う。熟練の採集者で学院の教授でもあるエルオリーセは男性が苦手だが、何故か三吾だけは安心していられる。研究一筋で女性との付き合いなど無かった三吾もエルオリーセに惹かれてゆく。そんな2人の間で、アルバは成長しメタモルファルの謎が解ってゆく。異世界都市レーエフから始まるもふもふ恋愛話。
第1章 出会いから紆余曲折の末、三吾が想いを伝えるまで。
第2章 顔に醜い火傷の跡を残し、右目を失明したエルオリーセが立ち直り2人がキスを交わすまで。
第3章 彼の家族の虐め。過去の事件の脱走犯の襲撃を受けての大怪我。放火。様々な苦難を乗り越えて2人が婚約するまで。
第4章 婚約して温泉に出かけ、彼の家族との確執を清算し、晴れて結婚した三吾とエルオリーセ。2人が初夜を迎えるまで。
第5章 エルオリーセは人型メタモルファルとして覚醒し、2人はそれを受け入れて異類婚ではあるが生活を始める。
第6章 メタモルファルと人の異なる時間の流れ。見た目が変わらないエルオリーセの決断。
第7章 季節的遠距離夫婦生活。往復書簡。そして10年後、20年後と時は過ぎ、三吾は年老いてゆく。大切な親しい人との別れを経て、エルオリーセは再びレーエフに戻り、三吾の傍に寄り添って生きる。愛に満ちた介護生活の中で、2人は昔話をしては共に過ごした日々を思い出した。けれど幸福な時間は、やがて終わりを迎える。
人型メタモルファルのエルオリーセと、犬型メタモルファルのアルバは、再びこの世界を歩み出す。長い一生の旅はこれからも続き、人々と関わりあって生きてゆくだろう。
メタモルファルの存在意義とは何か。それを知るために。